家電のインターフェイスを僕らWebデザイナーが作る未来

テレビ放送用のWeb標準規格言語

テレビのリモコンはどのデバイスでも共通のHTMLベースでできる未来?

おことわりですが、、この記事はちょっとした未来の予想と自分の仕事を重ねてみた「想像」が入ってます。
今日は、昨今Web技術が進歩しているなかで僕たちデザイナーがどうやってこのような技術に理解を深めれば良いのか?について考えてみたいと思います。
PCブラウザから始まり、現在はスマートフォンや電子書籍がWebにつながる端末として一般的な世の中になりました。
今年はテレビが来る、とみんな言ってます。
要はWebにつながるテレビ。
実はあまり知られていないことですが、もう10年くらい前に「インターネットテレビ(あえてそう言います)」は発売されていますが、正直普及しているとはいいがたく、例え使っている人にとってはおそらくそのテレビはそのうち使いにくいもの、あるいは使えないものになっているかもしれません。
理由はいくつかありますが、大きな理由はいくらテレビ本体(ハード)が魅力的でも、放送用のデータをやりとりするフォーマットがWeb標準に存在しない当時は、独自のフォーマットに頼ることしか手段がない、といったところかと思われます。
そうなると配信されるコンテンツも豊富になるとは思えません。
BML(社団法人電波産業会が策定した放送用のマークアップランゲージ「Broadcast Markup Language」の略)というものがあり、デジタル放送用に使われている言語ですが、世界に普及していません。
1999年に既に策定されているので、10年以上前の当時にはそういった標準規格があったようですが、世界とつながるWebだけに、日本独自とも言える規格ではせっかくのWebテレビもあまり魅力を感じられないといったところでしょう。
家電をWebにつなぐ、ということは、テレビに限らずこういった標準技術がしっかりしていないと、上で説明した通り全く意味をなしませんしビジネスとして成功を収めるのも困難でしょう。
しかしW3Cが徐々に家電用の標準規格策定に対する動きを見せています。
これが策定され勧告されだすと、世界中のWebにつながるテレビは(というより家電メーカーは)一斉にそっちの標準規格を採用すると言われているので、世界中のコンテンツにアクセスしやすい環境が生まれるわけですね。

今後のWebにつながるデバイスとして

上記から言える通りただ「Webにつながる」というキーワードだけではあまり意味がないのです。
Webにつながっても、それによって生活がどう便利になるか、が問題であり大事なんだと言えるのです。
さて、今後のデバイス、、、
例えばクルマ、電子レンジ、冷蔵庫といったように色々な生活に密着した機器がWebにつながり、僕たち人間が操作する側となる「インターフェイス」が、今のスマートフォンで操作しているタッチパネルと同じような「表層」をHTMLやCSSで構成されて、WebにつながるエンジンがJavaScriptによって情報をやりとりする時代が来ると予想する人も出ています。
まあ、今の流れからいうとありえるな、という気もします。
電子書籍の規格で有名なEPUBもXHTMLで情報が構成されています。
このバージョンが3.0になりHTML5+CSS3を使えるということらしいのですが、いずれにせよWeb標準フォーマットですね。
ある一定のフォーマット(規格)の域から外れずにデータのやりとりが可能なら僕たちのHTMLのスキルもひょっとしたら役に立つかもしれません。
あとは、デバイスの特性を考えた対策が可能な技術も必要でしょう。
例えばクルマを例えてみましょう。
移動するメディアなので、電波の届かない所にいることを考えないといけません。
カーナビがGoogleMapsのようなサービスと連動している場合、電波が届かない場所を走っているときは、あらかじめ周囲数10kmの地図情報をデバイスにキャッシュしておくなど対策がないと困るわけですね。
HTML5ではWebサイト(ページ)を本体にキャッシュしておける機能があります。
オフライン時、つまりネットにつながっていない環境でも情報を閲覧することが出来るわけで、これと似た機能でカーナビにも採用したりするといいでしょう。
(そもそもキャッシュとは既に閲覧した情報を貯めるので意味的にはちょっと違いますが…)
GMailなどはその例ですし、スマートフォンのWebアプリは「オフライン対策は必須だ」という人もいます。
もうひとつ例をあげましょう。
例えば電子レンジやオーブン、グリルなど「火」を扱う機器。
今のWeb標準技術には「熱」を感知するAPIは勧告されていません。
電子レンジのパネルに、料理のレシピサイトから提供されているレシピが表示され、ユーザはそれに従って食材を入れ加熱させるわけですが、その加熱時間はすでにレシピサイトからの情報を受け取っているのでユーザが時間を指定しなくても自動で行ってくれるのです。
ただ、何かの間違いで、指定外のものを入れてしまい加熱して事故になることも視野に入れなければなりません。
熱を感知して加熱を停止させる機能がないと、自動化などするべきではありません。
その機能が家電機器(ハード)に備わっていることも大事ですが、「熱(温度)」を感知する機器を例えばJavaScriptで判定するようなAPIも提供されていないと、Webアプリの開発には常に危険がつきまとうと言っても過言じゃありません。
このように安全面を考えると、「自動化=便利」の背景には「危険」と背中合わせの部分をどう対応するかが極めて重要です。
前面が全てHTMLでできたUIの電子レンジ?

Webにつながる家電に対するデザイナーの仕事として

今僕たちはスマートフォン用のWebサイトの制作に色々知恵を絞っています。
iPhoneだけなら単独プラットフォームなので、微妙なバージョンの違いでなければMobileSafariのレンダリング結果なんてそう差はないはずですが、Android用のWebサイトともなると、表示するだけならまだ良いとしてもWebアプリの機能が加わると色々手を煩わせられます。
この問題はスマートフォンというデバイスにおける問題と考えられが
ちですが、実はこれらは始まったばかりで、これからの未来を考えると、スマートフォンの悩みは氷山の一角にすぎません。
もちろん、こうしている間にもどんどんWebブラウザやそのレンダリングエンジンも整備され改善されていくでしょうから、未来は今程デバイスごとの表示や挙動の違いに悩まされていないかもしれません。
ところが、もしテレビのリモコンや電子レンジのパネルがタッチデバイスとなり、そのインターフェイスがHTMLやCSSで表示されている可能性はまったく否定できません。
テレビのリモコンはスマートフォンでも代替できるようにもなるでしょうが、スマートフォンを持っていないユーザもいることを考えて、やはりテレビ専用の次世代リモコンは付属、もしくは別売りとなるかもしれません、普及当初はスマートフォンがリモコンになる場合、ネイティブアプリが提供されるかもしれませんが、オープンなWeb標準技術で仕様書も公開されているなら、僕らがWebアプリとしてリモコンを作る仕事もあるかもしれません。
例えば、お年寄りにはシンプルな「音量」と「チャンネル」と「電源OFF」のボタン機能だけで良いと言う人もいるでしょう。
逆に多機能に予約録画ボタン、多重放送のプレビューが手元のデバイスでテレビと連動したほうがいいという人もいるでしょう。
ユーザの好みは多岐に分かれるのです。
今のテレビのリモコンはご存知のとおり「ハード」です、つまりボタンの位置をユーザ層によって付け替えることはできません。
しかしタッチパネルとなればそれが可能になるのです。
ユーザの好みで、インターフェイスデザインをカスタマイズすることなんてもう既にPCでは行われています。
HTMLやCSSをJavaScriptで操作して動的に表示すればよいわけです。
あるいは何パターンかユーザーインターフェイスを用意しておいて、まるでブログの「テーマ」のようにユーザが複数のデザインを自分用のリモコン画面として設定保存することが出来るのです。
今お話したことは全て僕たちが普段扱っているHTML+CSS、あるいはJavaScriptの知識資産を使って可能なことです。
もちろん、家電に向けたWeb標準がどう策定され勧告されるかはまだわかりません。
しかし可能性は否定できません。
そうなると僕たちの仕事のフィールドがPCからスマートフォンだけでなく、生活に密接な家電にも広がることになります。
例えばスマートフォンサイトで必須とも言えるviewportやメディアクエリーなんてもうスマートフォンのため、などと言えなくなる未来があるかもしれません。
特に日本の家電メーカーは今韓国などのメーカーに押され、大変な時期です。
Webがオープンな規格なだけに、他社製と差別化を計るのも以前より困難かもしれません。
家電がAndroidのようなオープンなOSを搭載する可能性もあるからですが、しかしながら明らかに独自路線を突っ走るよりはユーザへのサービスを充実させることを重点に置くべきことは家電メーカーも充分に分かっているでしょうし、そこを契機とし、起死回生を計ることができるかもしれません。
iPodやiPhone単体だけの成功ではなく、そこにiTunesというサービスと結びつけたからこそ成功したアップルの例からも言える通り、テレビを始めとする家電も、それだけではもう魅力的ではないのです。
そういった新しいサービスには僕たちデザイナーの活躍するフィールドがどこかに無いか?
と、最近いつもそんなことを考えている毎日です。
この可能性には否定的な意見もあると思いますが、明らかに言えることは、「可能性はゼロではない」ということで、
問題はどこにその可能性が秘められているかを早く見極めること、そしてそれに対する動きをとることが大事で、
場合によっては家電メーカーに売り込みに行くことも考えた方がいいかな?と思っています。